骨移植
| 1.骨移植はなぜ必要か |
| インプラント治療をするには、フィクスチャーが埋まるだけの骨量が必要です。この骨量が十分になくて支える力が弱いと、噛み合わせの力に耐えられず、フィクスチャーが抜け落ちてしまうからです。しかし、現実には骨量が足りない人は数多くいます。そのような場合に、有効な手段が骨移植。つまり、足りないところには、からだの別の場所から骨を採取し、それを継ぎ足すという方法です。とは言え、言葉の持つイメージから、身構えてしまう人も多いかも知れませんが、整形外科の分野では100年ほど前から行われてるので、技術は確立されていると考えて下さい。 |
| 2.治療の概要 | |
| まず、CTスキャンとレントゲンで骨移植が必要か、必要ならばどこにどれだけ必要か調べます。実施するとなると、移植する骨をどこから取ってくるかを決めなければなりません。これは患者さん自身から取るのが主流です。人工骨を使う場合もありますが、やはり自分の骨の方がひっつきやすく、安全で確実だからです。少量の場合は、下顎の正面、オトガイと呼ばれる部分から採取します、これは神経も血管も通っていないので、これらを傷つける心配がないからです。他にも、親しらずの後ろや鼻の下などから取ります。次に多量に必要な場合。これは腰骨のすぐ下にある腸骨というところから取ります。この場合は整形外科医による手術が必要です。では、採取した場所はどうなるか。これは骨にあいた穴は自然に骨で埋まっていくという自然の摂理が働きます。骨を作る誘導剤も、よりきれいな再生のためには有効です。 | ![]() 口腔内からの骨採取部位 |
| 3.手術の手順 | ||
| 移植手術は局所麻酔で行います。骨を採集して、移植するまでの時間は約2時間。ブロック型に切り取るか、分散して切り取ります。途中で出てくる骨のくずも捨てないで利用します。次に移植ですが、ブロック型に採取した骨はチタンのネジで骨に貼り付けます。分散した骨は足りない部分に盛りつけます。これだけで移植された骨は、従来の骨と結合していきます、インプラントと骨が結合するしくみと、基本的には同じです。 | ||
![]() 1.骨幅増堤のための移植 |
![]() 2.メンブレン(人工膜)でカバー |
![]() 3.縫合後、治癒を待ちます |
![]() 4.その他:骨高増堤のための移植 |
![]() 5.その他:Jボーン(サドル)グラフト |
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![]() 1.歯を失い歯槽骨がやせた状態 |
![]() 2.移植しないと支台(斜線部)が長くなります |
![]() 3.オンレーグラフトにて骨移植 |
![]() 4.治癒後は長いインプラントを埋入できます |
| 4.手術後のフォローアップ |
| 手術後はその日のうちに家に帰ることができます。手術終了後は腫れが出ますが、健康な骨だけで移植をしているので、痛みのコントロールがしやすく、2〜3日ゆっくり休めば、腫れもひきます。顔面に赤紫色の斑点が出ることもありますが、これは内出血によるもので、2〜3週間で完全になくなります。術後はカルシウムの錠剤や牛乳で、骨の治癒を助けます。この後、4〜6ヶ月ほど骨の治癒を待ち、インプラント手術を行います。 |
| 5.骨移植の知識、あれこれ |
| ここで少し骨移植の手術そのものについてお話しておきましょう。1で述べたとおり、骨移植は医科の分野で100年以上の歴史を持つ技術で、移植した骨もほぼ100%くっつきます。腰骨からの移植は整形外科医が行いますが、これも決して難しい技術ではありません。整形外科医ならお手のもの、と言っていいでしょう。口腔内の移植ならば、歯科医師で行います。アメリカやスウェーデンでは日常的な方法です。まだまだ日本では症例が少ないのは事実ですが、インプラント専門医なら行える技術であり、大学病院を紹介してくれる医院もいるでしょう。総じて言えることは、歯科医サイドから見ると、骨移植は決して難しい技術ではないということです。 |









