インプラント手術前に知っておきたいこと Question5
Q1 インプラントの費用はどれくらいかかりますか?Q2 インプラントはいったい何年くらいもつのですか?
Q3 インプラントは100%骨にくっつくのでしょうか?
Q4 インプラントに欠点はないのですか?
Q5 インプラントは将来、体に悪影響を及ぼさないのでしょうか?
Q6 インプラントはどの歯科医でもできるのですか?
A. インプラントの材料である純チタンに対する金属アレルギーは、今までに報告されたことはありません。まず問題は起こらないでしょう。
からだにとって金属は異物です。それを埋め込むのですから、心配されるのは当然のことと思います。とくに金属アレルギーについて懸念を抱いている方が多いのではないでしょうか。
ある金属が溶け出して金属イオンがからだに侵入すると、からだは異物の侵入ととらえ、抗体をつくります。一度抗体ができると、同じ金属イオンがからだに入ってきたときに拒絶反応を起こして、赤くかぶれたり、腫れたりします。これが金属アレルギーです。水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、金などで起こることが多いようです。
では、チタンはどうなのでしょうか。純チタン製のインプラントの場合、チタンそのものが体内に入りこむことはありません。、純チタンと骨が結合するのではなく、純チタンの周囲にできた酸化膜と骨ががっちりとくっついています。光学顕微鏡で見ると骨と結合しているように見えますが、電子顕微鏡レベルで見ると骨とインプラントは結合していないのです。チタンと骨の間にある酸化膜は何重もの層をなしています。非常に薄い膜ではありますが、この膜がチタンを包んでいるおかげで、チタンがからだに流出することはありません。酸化膜が破れないかぎり、ありえないのです。
ただ、純チタンをブラストして表面を荒くしたインプラントの中には、チタンが遊離して周囲の組織に染み込んでしまったものがありました。その後、改良が加えられて、現在では、このタイプのインプラントは使われていません。
では、酸化膜が破れないようにするにはどうするか。酸化膜は異種金属にふれると破れることがあります。ですから、異種金属に触れさせなければよいのです。そのため、インプラント治療に使うすべての器具は、すべて純チタン製です。ステンレスなど他の金属にインプラントが触れてしまった場合は、そのインプラントは捨てます。高価なものですが、安全性を考え、私の病院では必ずそうしています。
そうはいっても、チタンが万一、体内に入ってしまったとしたらどうなるのか、と不安に思われている方もいるでしょう。しかし、現在のところ、純チタンによるアレルギーは報告されていません。からだにとっては安全な金属として広く認知されており、心臓用のペースメーカーにも使われています。アレルギー体質で、チタンに対しても不安を感じる方は、アレルギーの原因を調べるパッチテストという試験を受けてみることをおすすめめします。どんな治療を受けるにせよ、安心して、納得して受けることがいちばん大切です。皮膚科やアレルギー外来で相談してみましょう。
