インプラント手術前に知っておきたいこと Question3
Q1 インプラントの費用はどれくらいかかりますか?Q2 インプラントはいったい何年くらいもつのですか?
Q3 インプラントは100%骨にくっつくのでしょうか?
Q4 インプラントに欠点はないのですか?
Q5 インプラントは将来、体に悪影響を及ぼさないのでしょうか?
Q6 インプラントはどの歯科医でもできるのですか?
A. システムによっても、部位によっても異なりますが、通常は90%から98.8%の成功率です。
インプラントの成功率を左右する最も大きな要素はインプラントを入れる部位です。骨のやわらかいところでは結合しにくく、硬いところでは結合しやすいという傾向がみられますので、下あごの先端は特に骨が硬くて成功率は九九%と非常に高いのですが、骨が一番やわらかくて密度の低い上あごの奥歯では、90%前後です。骨の硬軟だけでなく、骨の密度も重要な要素です。
骨の密度が低いスポンジのような骨の場合、インプラントがつきにくいことがあります。しかし、その場合は、治癒期間を倍にして、つまり下顎なら7〜8か月、上顎なら12か月以上の治癒期間をとって、対処しています。フィクスチャーの長さによっても、成功率は異なってきます。インプラントの長さはいちばん短いもので七ミリ、最長で20ミリあります。
長いということは、それだけ骨とチタンが接触する表面積が大きいということですから、原理的には最長20ミリのインプラントの成功率がいちばん高くなります。このほか成功率に関わってくるのは、全身の健康状態です。インプラントが骨と結合するメカニズムは傷が治るのと同じですので、傷の治癒を妨げるような条件がある場合は成功率が下がります。
つまり、血液中の酸素量、栄養状態やビタミン、ホルモンなどの全身的な要素も成功率に関わってくるということです。たとえば、ヘビースモーカーの方は傷が治りにくいことが知られています。傷が治癒するには大量の血液が必要となりますが、喫煙を続けていると毛細血管が細くなり、十分な血液量が供給できなくなります。その結果、治癒に非常に時間がかかるのです。インプラントでも同様で、ヘビースモーカーの方の骨とインプラントは結合しにくい傾向がみられます。特に1日2箱以上吸う人は要注意です。
本来なら、禁煙していただきたいのですが、どうしても無理なら、手術を受ける二週間前からせめて1日の喫煙量を10本以下に抑えるようお願いしています。それでも成功率は非喫煙者に比べて落ちます。また、抜歯をした部分にインプラントを入れた場合に、ごくまれにうまくつかないことがあります。
抜歯をすると、ぽっかりと穴があきますが、その穴は本来ならすべて骨で埋まるはずです。ところが、抜歯窩の内面に結合組織や炎症組織を取り残してしまうと、それがインプラントと骨の間に入って邪魔をしてしまうことがあります。また、抜歯をするような状態にある歯は歯牙も、その周辺にある骨も傷んでいて、炎症や感染を起こしていると言えます。ですから、十分に汚れを取り除いておく必要があるのです。
インプラント治療を行っている歯科医が抜歯する場合には、結合組織や炎症組織が残らないように十分に注意して抜歯しますので、このような問題はまず起こりません。さて、うまくつかなかった場合ですが、まず原因を調べます。骨の量が足りなかったのか、かみ合わせが悪くてインプラントにかかる負担が大きすぎたのか、治癒を阻害するような病気がなかったかなどをチェックし、その問題を解決する処置をした上で、再び同じ場所にインプラントを埋入します。再インプラントで失敗することはまずありません。なぜかというと、皮膚にできた傷が治ったときにもりあがって硬くなるのと同じで、インプラントを入れるために穴をあけた骨も、治癒するとより硬くなるからです。
ただし、骨が治癒して硬くなるまでには4〜6か月ほどかかりますので、再インプラントはそれからということになります。なお、再インプラント代は、多くの場合、歯科医院負担です。一般的に、各歯科医院が掲げているインプラント料は、インプラントが機能するまでの代金と考えてよいでしょう。しかし、各医療機関によって考え方は異なりますから、治療を受ける前に確認しておくことをおすすめします。
また、ブローネマルクシステムの部品を製造しているノーベルバイオケアという会社では、インプラントが機能してから10年間、部品の無料保証をしています。
インプラントを構成する部品は数多くあり、そのどれをとっても高価なものです。それだけ高価なものを保証するということは、一度機能し始めれば、その後に故障することはめったにないという自信の現われかもしれません。今後は、他の会社でも同じような保証制度を提供していくと思われます。
